第10代理事長のごあいさつ


この度、早川吉春理事長の後任といたしまして、「価値創造フォーラム21」の第10代理事長に就任することになりました柿木 厚司です。現在世界中に甚大な影響を及ぼしているコロナ禍での就任となり、微力ではありますが精一杯取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

皆様ご承知の通り、当フォーラムは、1998年4月に「絶対的な価値創造を通して、21世紀に向けて明るい希望に満ちた日本を再生しよう」という高い志を持ったメンバーによって立ち上げられ、現在まで至っています。設立以来、「企業価値とは社会的価値・文化的価値などを含んだ奥行きの深いもの」という理念の下で、月例フォーラムを中心に、次世代リーダーの育成を目的とした価値創造リーダー育成塾やデジタル時代の経営戦略を推進する「エグゼクテイブCIO協議会」、長期的なコア人材の育成を目指す「エグゼクテイブCHO協議会」等の様々な活動をしてまいりました。私自身も2012年に、第1期CHO協議会のメンバーとして、活動に参画し、貴重な経験をさせていただきました。

さて、今年度の統一テーマは「激動する時代の価値創造‐さらなるビジネス・パラダイムの変革をめざして」であります。 我々の企業経営を取り巻く経済・政治・社会環境は、当フォーラム設立以降、新興国の台頭、グローバル化の進展、AI、IoT分野などの急速な発展があり、またリーマンショックによる金融危機を乗り越え、新たに米中貿易摩擦や気候変動リスク対応等の課題にも直面しました。更に今まさに、新型コロナウイルスの感染拡大で、世界は大恐慌以来の危機の淵に立っているといっても過言ではありません。この感染症が終息した後は、これまでの延長線上にはない枠組みとなっていくことが予想されます。

今世界は現代人が経験したことのない新型コロナウイルス感染症との戦いの最中にあります。この感染症は、世界経済に甚大な被害を与えるだけでなく、終息後の価値観すら変えてしまう可能性もあります。当面は、ワクチンなどの有効打がでてくるまで、感染防止活動と経済活動の両立を見据えた対応をとらざるを得ないと考えます。この期間は世界経済、日本経済及び経営者にとっても辛く厳しい時代になると想定されます。感染症終息後の世界がどうなっているかの不安はありますが、こういう時こそ、ものごとの本質を見失わず、持続的な成長を実現していくための絶対の競争を通した価値を探求する経営が必要になってくるのではないでしょうか。

この難しい局面を乗り越え、企業として真の持続的な成長を遂げるために、新たな変化に能動的に対応し、変化を機会に変えながら、お客様や社会のニーズにあった優れた商品やサービスをお届けし、社会に価値を提供し続けることが不可欠です。 また、経営としては、これまで以上に、時代の変化に常に敏感であり続け、独創性や革新性を追求しイノベーションの創出に取り組みつつ、次世代を担うリーダーの育成にも注力していくことが変わらず重要になってきます。

新型コロナウイルス感染症の拡大によって本年度の活動は7月からの開催となりますが、本年度も統一テーマに沿った多彩なプログラムが用意されています。コロナ禍で難しい環境ではありますが、できるだけご参加いただき、ご議論いただければ幸いでございます。

結びに当たりまして、本フォーラムが皆様にとって、ますます有意義なものとなること、そして本フォーラムとこれを支える会員の皆様が益々発展することを祈念いたしまして、簡単ではございますが私の所信挨拶とさせていただきます。

2020年4月1日
一般社団法人 価値創造フォーラム21 理事長
柿木 厚司